case 症例紹介

歯周組織再建治療

自分の歯で咬みたい希望のある重度歯周病の方にGBRとFGGを行い歯周組織を再建しブリッジにて対応した症例

【患者の希望】
   『歯周病をきちんと治し、なるべく歯を残したい。』とのご希望で、歯周病専門医サイトから当院を検索してご来院されました。

【治療内容】
   16部 GBR+FGG
   15ー17ジルコニアセラミッククラウン

【治療期間】 約1年5か月 (治療期間中は、仮歯を入れて咬める状態を維持しています。骨や粘膜の治癒を待っている間は、他の部位の治療をしています。)

【副作用】 術後感染、骨の再建量には個人差あり、ジルコニアセラミックブリッジの破折等

【治療費用】GBR、FGG:各110000円(困難なもの、複数歯対応)
      フルジルコニアブリッジ:88000円×3歯分
      ※治療当時の価格となります。
    

※画像の掲載に関し、ご本人様の同意を得ています。
※治療費は不定期に変動します

16 初診時 口腔内写真

16 初診時 口腔内写真

初診時の右上6番(銀歯)の写真です。歯周病によって骨が吸収し根尖近くまで根が露出しています。(上図)
16番は抜歯適応です。このまますぐに抜歯をしてしまうと、骨が大きく欠損したまま、歯肉が凹んだ状態で回復します。上につくるブリッジの形も、16の歯の部分だけが凸な、いびつな形のブリッジになってしまいます。(下図のような形)
そこで、16に対して、GBR(Guided Bone Regeneration):骨誘導再生法を行いました。

16 初診時 デンタルX線写真

16 初診時 デンタルX線写真

レントゲン写真からも、16周囲の骨が大きく吸収していることが分かります。

16 頬側2根抜根後、粘膜の治癒を待った状態

16 頬側2根抜根後、粘膜の治癒を待った状態

まず、16の抜歯ですが、骨をより多く造るために、根尖まで露出してしまった頬側の2根を先に抜歯し、口蓋根を残した状態で粘膜の回復を待ちました。
口蓋根を残すことで、口蓋根周囲の骨を残して口蓋根周囲の歯槽骨の高さを維持するねらいがあります。

16 GBR+FGG後 口腔内写真

16 GBR+FGG後 口腔内写真

頬側2根を抜歯し粘膜の回復を待った後、残しておいた口蓋根の抜歯とGBRを行いました。
GBRでは、骨を足して膜で覆いますが、縫合する際に頬側の粘膜を引っ張るため、口腔前庭が浅くなります。(口腔前庭:上下唇と頬粘膜の内側で、上下の歯列弓との間にできる空間)
口腔前庭が浅くなると、角化歯肉の幅が減少するため清掃性が悪くなります。これを改善するために、次にFGG(遊離歯肉移植術)を行いました。
FGGでは、16の口蓋(手術部位のすぐ裏側の上あご)から健康的な部分を一部取り出し、16部に移植します。厚みのあるしっかりとした歯肉を移植することで、少々のブラッシングでは歯肉がすり減らず、歯周病になりにくい歯肉を造ります。手術部すぐ裏から採取することで手術範囲を小さくし、麻酔や痛みの軽減に努めました。

16 手術前後の比較写真

16 手術前後の比較写真

16手術前後を比較してみると、黄色の点線が示すように、骨吸収が進み凹んでしまっていた歯肉が、厚み、幅ともに十分に回復していることが分かります。

16 補綴物が入ったところの比較写真

16 補綴物が入ったところの比較写真

ブリッジが入ったところのお写真です。
口腔前庭の幅が確保されており、かつ、角化歯肉も十分にできています。ピンク色の健康的な歯肉ができています。
ブリッジは、ジルコニアセラミックブリッジです。審美性が良好で丈夫な素材なので奥歯の補綴に適しています。骨と歯肉が作られたことによって、美しく自然体で、かつ清掃しやすい形状のブリッジができています。


歯がダメになってしまった時の選択肢として、インプラントやブリッジ、義歯といった治療法があります。
ブリッジには、インプラントと比較した時に、両隣の歯を削る、咬みにくいといったデメリットもありますが、本症例のように、補綴物を支える骨と歯肉を再建することで、清掃性と機能性を兼ね備えたブリッジを作製することができます。それは、より永くご自身の歯を残すことに繋がります。

本患者さまにおかれましては、長期にわたる治療となりましたが、治療へのご協力、ならびに資料掲載へのご承諾を賜りまして、誠にありがとうございました。
引き続き、メインテナンスを継続して、ともにお口の健康と機能を守っていければと思っております。

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