最近はブログを真面目に更新するようにいたしました。

一開業医のブログをわざわざご覧になってくださっている方に少しでも自分の考えや診療以外の活動を報告しようと思いまして。

 

先日、僕が所属している勉強会では外部講師を招いて講演会を開催しました。

毎年、国内外でご高名な先生をお招きして、その知識・技術・経験をお話しいただいております。

今年は、歯科医学の中でも難しいとされる咬合(かみ合わせ)に対しての診査・診断・病態・治療計画・治療経過をお話しいただき、

存分に学ばせていただきましたので、その『咬合』について歯周病治療との結びつきを少し書かせていただこうかと思いました。

 

歯周病の治療は古くから、『感染(細菌)と力(咬合力≒外傷力)のコントロール』に集約され、その両方を上手くコントロールできれば、

歯周病を有している方でも長らく自分の歯で食事ができ健康な生活を送ることができます。

皆さまの歯周病治療のイメージは、歯周病菌(歯垢や歯石)を排除すれば良いと思われていませんか?

軽度の歯周病ならばそれで良いのかもしれませんが、中等度以上の歯周病治療になるとどうしても『力のコントロール』の必要性が出てきます。

 

力のコントロールを簡単に言うと、かみ合わせに悪影響を及ぼす因子を見つけだし、排除していくことです。

その因子は、本当にたくさんあるのですが、代表的なものには、歯ぎしりとか、グラグラと揺れてかみ合わせが安定しない歯、

歯が無いこと(欠損)や、歯並び(異常な位置や傾きの歯)もそうかもしれません。

このような因子を一つ一つ見つけ出し排除していくことや、排除できなければそれをコントロールする方法を考え治療していくことが力のコントロールになります。

 

そして、この『感染と力のコントロール』の両輪が適切になされなければ、例え定期的に通院して『お口のクリーニング』を受けていても

歯周病はどんどんと進んでいくことになるでしょう。

歯も臓器です。親知らずを含めると通常32本ありますが、抜いてしまうと現代医療では元通りにはなりません。

自分の歯と、歯を支えている歯茎や骨を大切にするためにも、皆さまがお口の中に関心を持たれるよう切に願います。

 

院長 下江 正幸